ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜
日時: 2015/02/13 13:00:54
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:iqCN40dY

2016.7/28
自分用メモ&お知らせ
第11話投下


皆さん、こんにちは。
このお話は過去に別の板で書いていたものですが、何時の間にか無くなってしまい
そのまま行方知れずとなっていたところ、偶然にも記録を発見できたので
多少修正しながら、ここの板でやらせて頂こうかと思います。
マターリ更新です。亀更新です。
もう一作のカバン持ち〜の方は休止中という事で。再開未定の…… すいませぬ。

※追記
記録がまた消えておりました
何でバックアップをとらなかったのかさてどうしよう


〜注意〜
基本は主人公視点ですが、
話によってはたまに神視点になる時があります。


目次
>>1    オープニング
>>2-13  第1話〜10話
>>14    第11話

チラ裏設定

沢渡 健太狼(サワタリ ケンタロウ)
一応、主人公。 お調子者で天邪鬼、女の子大好きの好色漢。16歳。
顔立ちは実は良い方で、“黙っていれば、二枚目”の典型的な男。
加えて“根は善人”なようなので、友人は多く、密かに想いを寄せている女の子も少なくないようだ。
しかしその性格と、“超鈍感”という事が相まって自らそのチャンスを逃している節がある。
名前の“狼”にかけて、愛称をウルフと広めたいようだが誰も呼んでくれない。
父、母とマサラタウンで三人暮らし。
父はポケモンレンジャーで世界中を飛び回っており、普段は家にいない。

手持ちポケモン ヘルガー、他
メンテ
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Re: 今更ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.1 )
日時: 2015/02/15 13:20:29
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:aJAtcDdc

オープニング


俺には理想がある……
可愛い女の子達を集めてハーレムを作り、一夫多妻制さながらの生活を送るという―――
いや、この場合は野望だろうか?
まぁ、どっちでもいい。 とにかく、俺はそれを叶えたい…… 叶える。
―――が、不覚にも俺は“マサラタウン”の一市民として生まれ落ちてしまった。

そんな俺に、当然ながら“力”はない。
そうした生まれの不幸を嘆き、一時は親に文句を言ってはみたりしたものの、
鉄拳が飛んできただけで、さしたる意味はもたなかった。

夢、潰える、か……
そんな半ば諦めかけていたところに、大きなチャンスが巡ってきた。

此処、マサラタウンに研究所を置き、ポケモン学の権威としても知られる“オーキド博士”から、俺に依頼があったのだ。
それは、“ポケモン図鑑を完成させて欲しい”、との事だったが―――

ふはははっ……!

そんなもの、二の次、三の次だ。
諸国を歩く(全国の女の子達とヨロシクする)大義名分は手に入れた!
後は、ポケモンリーグチャンピオンとなり富と権力を手に入れれば、俺の理想の実現も夢ではあるまい!

俺の大望は、今、この時より動き出すのだ!
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.2 )
日時: 2015/02/20 14:01:41
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:iqCN40dY

第1話


旅立ちの日。
晴天に恵まれ、幸先は悪くない。

―――が……

俺は自分の部屋、中央に立ちつくしていた。
予想外の展開に当惑せざるを得ない。その予想外の展開とは、

「改めて掃除して、初めて気づく。  ―――俺の部屋はここまで汚かったのか」

出発まで時間があったので、自室を掃除していこうと思ったのだが……
フン。少々、侮っていたようだ。 いや、ホントは少々どころの騒ぎじゃないけども。

“立つ鳥、後を濁さず”とはよく言ったものだが、こうも綺麗にならないのでは、どうにもならんな。
ここはもう潔く、掃除を諦めるという選択こそ、ある意味、男らしいかもしれん。
―――というよりも、時間の都合上、その選択しか選べないわけだが。

「まぁ、いい。 リーグチャンピオンになって富と名声を手に入れたら、可愛いメイドさんでも雇えば良いのだ」

俺は掃除を諦める事に決め、右手にもっていたヨレヨレのTシャツを無造作に放り投げる。
そんな事より、もう旅立ちの時間が迫ってきている頃だろう。
研究所に12時ちょうどの約束だったな。 
そう。12時きっかりだ。

腕の時計に目を移し、確認する。
えーっと、今の時間は―――


12時7分。


「……なんですと?」


もう一度、目を凝らしてよく確認する。


12時8分。


「……」


数字は変わったが、むしろ状況は悪化した。
いや、待て。落ち着け。 俺の腕時計は時間がズレていたのかもしれない。

……テレビの時間を見れば確実だろう。
冷静にクールに前髪をかきあげながら、傍にあったリモコンを手に取り、N○Kにチャンネルを入れる。
時間は―――


12時13分。



バンッ!!



俺は声を上げる間も無く、ドアを蹴飛ばすと同時に自室から飛び出し、2階階段を駆け下りていく。
そもそも母さんは何をやっているのだ! 何も知らないわけではなし、時間くらい知らせてくれてもいいだろう!?
転がるようにして、1階へと降りつき、その母に抗議と、一言、出立の挨拶をしようと思ったのだが……


「―――母さん?」


姿は、見えず。


「お母様ーーー!」


叫びながら、居間、和室、廊下、キッチン、お手洗い、風呂場、と見て回るが、やはり居ない。
うおお、時間がないのに……!

右往左往、慌てふためきながら居間へと戻ってきて、ふと気づく。
テーブルに白い紙―――  置き手紙!?

奪うようにしてその手紙を手に取り、中を改める。


〜最愛の息子へ〜
健太狼の成長の為に、この冒険を許可しましたが、
あなたの旅立ちを見送るだなんて、母さん泣いてしまいそうで堪えられそうもありません。
なので、お友達と遊びに行ってきます。
出かける際は、戸締りの確認、宜しくね。

あなたの優しいお母様より。


−追伸  有名になるまで帰ってきちゃダメだぞ?−


「……」

安心して下さい、母上。
こんな愉快な家には、二度と戻ってきません。


「母さんの……  アホーーーーーー!」


――――大遅刻、確定。
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.3 )
日時: 2015/02/27 11:37:42
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:iqCN40dY

第2話


「どおりゃああああー! タッチ、ダウーーーン!」

俺は猛然と集合場所であったポケモン研究所内に入るや、床に向かってターックル。


「くっ、ギリギリ間に合ったか……!」

自身、完全遅刻という自覚はしていたが、ささやかな抵抗の試みである。
しかし、そんな俺を冷ややかな目で見ながら、鼻を鳴らす男が一人。

「――――何が、ギリギリ間に合った、だ。 30分以上の遅刻だぞ、沢渡」

この必要以上に上から目線の男は、風精(かざせ)明彦(あきひこ)。俺と同い年で16才。
シルフカンパニーという大企業の御曹司で、元々、こちらの生まれじゃなく、ヤマブキシティの出身である。
3年ほど前に、親父さんの仕事の都合で、此処マサラタウンに越してきたとか何とか言っていた気もするが、まぁ、どうでもいい。
ナルシストで女たらし、男と女に対する態度が180度違うという、ある意味、典型的な嫌なボンボンだろう。
暇さえあれば、俺に嫌味を言ってくる不愉快な野郎でもある。


そんな明彦とは逆に、一方で、くすくすと優しい笑みを浮かべている女の子が一人。

「も〜、ケンタ君。 だから昨日、私が迎えに行こうか? って、言ったのに」


この女の子は、神原(かんばら)瑞穂(みずほ)。 年は俺の一つ下で15。
俺の家とはお隣さんで、物心つく前からの幼馴染である。
ただ、瑞穂が10歳〜12歳の2年間は、ヤマブキシティに行っていた時期があるがな。
戻ってきたのは、明彦がこっちに越してきた時より少し早いが、つまり3年前ほどだ。
ちなみに、成績優秀、容姿綺麗(可愛い系?)、スポーツ万能、家庭的と、
幼馴染の俺から見ても、絵に描いたような完璧美少女ぶりと思うのだが、
何故か、引っ込み思案、人見知り、すぐ泣く、といった弱気な性格である。


「あ〜、悪かったよ、明彦、瑞穂。 気づいた時には、もう時間が過ぎていたのだ」

流石に30分以上も遅刻したのでは、言い訳のしようも無い。
明彦にも頭を下げるというのは、少しばかり不本意ではあったが、ここは素直に謝っておく。

「―――全く、それが人に謝る態度か? もっと真摯に頭を下げて欲しいものだな」

「も、もう、いいじゃない、風精君。 オーキド博士も、まだ来てない事だし……」


なおも謝罪を要求したげな明彦に対して、瑞穂がフォローを入れてくれる。
そう言えば、確かに、オーキド博士の姿が見えないな。

「サンキュな、瑞穂。  ―――で、本当に博士はどうしたんだ?」

「うん。 えっと、途中で何か忘れ物をしたらしくて、少し遅れるって連絡があったよ」

またか。
ポケモン学の権威ともされている凄い博士なのに、いつもどこか抜けているよな。
俺のそうした感想は、瑞穂、明彦も同じだったようで、俺達は苦笑しながらも、溜め息をつかざるを得ない。


―――そこへ
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.4 )
日時: 2015/12/25 14:59:35
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

いつぶりの更新じゃろ…
前レスを確認すると、おお1年経ってないじゃん。意外と早くry
すでに感覚がおかしいあばばばばば


第3話


「いや〜、スマン、スマン。 遅れてしまったな!」

と、元気の良い声を研究所内に響かせながら、小走りでやってくる白衣に身を包んだ、一人のおじさん。

そう。パッと見、この冴えないおじさんこそ、
“ポケモンのいるところにその人あり”、と言われるほどのポケモン研究界の重鎮。
オーキド博士、その人である。


「本当に遅いですよ、博士。 今日は僕にとって大切な日になるというのに」

遅れてきた博士に対し、そうやって真っ先に口を開いたのは明彦だ。
まぁ連絡があったとは言え、今回の冒険の依頼主が30分以上も遅刻したのでは、気が立つのも頷ける。
俺も明彦の立場であったなら、皮肉の一つや二つは言っていたであろう。
今回、遅刻したのは俺もだから言えないけど。


「いやいや、本当にスマン。 今回の旅に一番重要、肝心な物を忘れてしまってなあ。
急いで戻ったのだが、このザマじゃよ」

そう言いながら博士は、自分が纏っている白衣の内ポケットから何かを取りだしつつ―――

「そう、これを忘れておったのじゃ。
君達のID、名前等を登録した、君達専用のポケモン図鑑を!」

テテテテーン!
と、ドラ○もんが道具を取りだしたかのような妙なポーズを決めた後、
博士は俺達3人に、その取り出した謎の赤い物体を手渡してきた。
そして、全員に行き渡った所でタイミングよく明彦が、

「フフ、何を隠そう! このハイテクなポケモン図鑑は、我がシルフカンパニーが開発した……」

「単なる電子手帳型の図鑑だろ? 今や携帯で見られる、調べられる時代なのに何を」

「沢渡、貴様ぁ! 僕の説明が終わらない内に割りこんでくるんじゃない!」

「ははん、お前のドヤ顔の説明なんているか。俺が簡潔にまとめてやるよ。
要は、“科学の力ってすげー!” だ」

「……ぐうっ、な、何故だ。 それを言われると、それ以上は逆らってはいけない気がする」


そうした俺達のやり取りを見ていたオーキド博士が、

「はっはっはっ! 君達は本当に仲が良いな!」

「どこがだ!」
「どこがです!」

見事にハモってしまい、博士は更に笑う。
瑞穂もその様子を見て、必死に堪えていたが限界と言った感じでクスクスと笑い始めるのだった。
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.5 )
日時: 2016/01/12 11:44:23
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

あけましておめでとうございます
短文?
更新する事に意義があるのですよふふふふ


第4話

「……つまらない事になってしまった」

俺は何度目かとも分からない溜息と同時に、そんな言葉を呟きながら、
我が故郷であるマサラタウンより北、トキワシティを目指し進んでいた。
溜息なんて幾ら出しても疲れるだけと分かってはいるが、吐かずにはいられない。


―――その原因は、コイツ。


今現在、トキワに向かう俺と肩を並べて歩いている男……


俺と年は変わらないはずなのに、男とも思えぬ貧弱な体つき。
白衣を纏うファッションセンス(ポケモン研究員の見習いらしい)。
そして丸メガネに、糸目。
その糸目の為なのか、常に微笑んでいるようにも見えるぞ。
まとめると「貧弱な見習い研究員の微笑みメガネ」と言う所だろうか。
名前を「木下 なんとか」などと名乗っていたような気もするが、すでに忘れてしまった。
思い出す事はできないし、元より思い出すつもりもない。

そんな事を考えながら、その男に視線をやっていると

「??  えっと、どうかしましたか、沢渡さん? 僕の顔に何かついてます?」


野暮にもそいつが俺に語りかけてきた。


「……何でもない。お前って本当にメガネなんだな、と思ってただけだ」

「は、はあ。 本当に、メガネ……?」


男は意味がよく分からないといった感じで首を傾げている―――

まぁそうだろう。
言った俺も分からないのに、こいつに分かられてたまるか。
単に話を振られたから、適当に言葉を返しただけである。


「……はぁぁぁぁ」


俺は今まででも最も深い溜息を吐き、そして、空を見上げた。
とても気持ちのいい快晴なのに、なのに、今の俺の心は濁みきっている。

そもそも何でこんな事になってしまったのだろう。
どうして、どうして、この貧弱な丸メガネが俺の旅の同行者になってしまっているのだろう。


―――時を遡る事、数刻前。 マサラタウン、ポケモン研究所。
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.6 )
日時: 2016/01/29 18:06:27
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

第5話


「さて、いよいよ君達にポケモン図鑑完成を目指しての旅を始めてもらう訳じゃが……」

俺達3人にポケモン図鑑が行き渡り、説明も一通り終えた所でオーキド博士が話を続ける。

「瑞穂君と明彦君はその2人1組で、健太狼君は1人で、という話じゃったな」


友達相棒のポケモンがいるとは言え、1人での旅は危ない―――
特に瑞穂は女の子という事もあり、瑞穂の方は2人1組でというのが、瑞穂のお母さん、お父さんの、旅の許しの条件だった。


―――で、やはりというか(幼馴染だしね)、同行して欲しいと瑞穂にお願いされた訳だが、
かなり気が引けたけど、いや、本当に悪いと思いつつ……


ええ、断りました。(うう、瑞穂のあの時の泣きそうな顔を思い出すと、また心が痛む……)


しかし、
折角、旅行ではない、いわば冒険とも言える旅に出る事が出来るのだ。
どうせなら1人で自由に満喫したい。
瑞穂とは日常でもよく一緒に遊びに遠出したりするし、今回も瑞穂と一緒だと、
そうした甘えじゃないけど楽しい旅みたいな…… いや、楽しいのは良い事なのだが、
俺が求めているものとは違う、旅行っぽい、いや、旅行も旅なのかもしれないけど、
そもそも旅行と旅の違いって……

ええい、何か言葉にするのは難しいが、つまりは、きっと「冒険」にはならない。

それと、瑞穂は俺が他の女の子と仲良くしていると、
何故か不機嫌になったり、泣きそうになったりと、よく分からない性格?の持ち主である。
今回の旅で、「全国の女の子とヨロシクする」という個人的な目的もある以上、瑞穂と一緒に行くのは得策ではないだろう。


故にの、オーキド博士が先ほど言っていたように、

“瑞穂と明彦の二人一組”、”俺一人での一組”

と、まとまっていたのだが―――


「では、瑞穂君と明彦君は健太狼君より先に出発してくれ。図鑑の方、楽しみにしておるぞ!」


ん?
何で別々にスタートを……
ああ、そうか。3人一緒に出発したら、目的は同じなんだから結局3人1組みたいになってしまうものな。

「先にごめんね、ケンタ君」
と、そんな事でも可愛らしく謝りながら出発する瑞穂を笑顔で見送ってやりながら、
そんな風に考えていた折―――


「健太狼君は、もう少し待っとくれ。 「後、1人」が、すぐにでも来るはずじゃ」

「あいあい。――――     ……は?」


「後、1人」、とはどう言う事だ。
そもそも俺は、俺1人で行くのに、待つ人なんていないだろう。


「え、いや、ちょっと待ってよ、オーキド博士。 後1人って……」

「おお、何じゃ。 自分のお母さんから聞いておらんのか?」

「か、母さんに?」

「うむ。健太狼君を1人にするなんて「色々と心配」だから、同行者を付けて欲しいと、後からお願いがあってな」

「……色々と、心配……」

「男なんだし、健太狼君なら大丈夫じゃろう。
と、儂は言ったのだが、ついには1人だと旅の許可は出せない、とまで言われてな」

「……」

「ちと心配に過ぎる、とも思うが、そこまで想ってもらえているとは、健太狼君は良いお母さんを持ったなぁ」

「……」


―――
やりやがったな、お母様(クソババア)。
俺のハーレム計画を見抜いていやがった……!


・ ・ ・


時は戻って、トキワに向かう道中


「沢渡さん、どうかしましたか? 何か難しい顔をされてますけど」

「……」

そしてその同行者が、この「微笑みメガネ」か? バカにしてやがる。
こんな事になるのなら、素直に瑞穂と一緒に行くべきだったのだ。
神よ。幼馴染を泣かせそうにした罰としては、余りに、余りに大き過ぎやしませんか?

俺は自分が泣きたくなるのを堪えながら、
メガネと共に、力無くトキワへと向かうのであった―――
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.7 )
日時: 2016/01/30 09:29:10
名前: ◆VcOJqFikDjA ID:8mRVUU9I

次も楽しみ
メンテ
Re: ポケモン赤・緑オリジナル  マサラの狼 ( No.8 )
日時: 2016/02/05 17:34:56
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

>>7
◆VcOJqFikDjA さん。コメありがとうございます!
マイペースにやっていくので期待せずに宜しくです〜。


第6話


トキワシティ。
我が故郷であるマサラタウンより見て北に位置する隣町で、
シンボルカラーである「緑」の通り、草木が多く自然に優しい、つまりは田舎町である。
しかし、セキエイリーグに近い町という事もあり、人の数は町の規模と比較すると多く、
それ以前に、マサラの方がトキワよりも「超」が付く程の田舎町であり、
むしろトキワシティがなければ、俺はとっくに都会の風を求めてマサラタウンに「さよなら、バイバイ」していたであろう。
マサラタウンの若者にとってトキワシティは、第2の故郷とも言える位に、近しい町なのである。


そして、そのトキワシティに到着した俺と微笑みメガネだが―――


ここには毎日と言って良いほど、放課後とかに瑞穂や友人と一緒に遊びに来ている町だ。
まぁ当然だけど、まだ全然、「冒険や旅」って感じじゃないな。


「トキワシティに着きましたけど…… まずは、どうしましょうか、沢渡さん?」

「とりあえずは、ポケモンセンターに行くか。 そこで、一息入れながら話そうぜ」


ポケモンセンター。
ポケモンの治療を無料で行ってくれる、ポケモン協会の施設である。
またポケモンの治療だけじゃなく、軽い飲食や、休憩、宿泊等も出来るので、(飲食や宿泊は有料。)
ポケモントレーナーでなくとも、「町に着いたら、まずはポケモンセンターへ」は、最早、常識と言えよう。


―――と言う訳で、ポケモンセンターへとやってきた俺達。


さっきも言ったが、この町へはすでに死ぬほど遊びに来ている為、
当然ながら、ポケモンセンターの受付お姉さんとも顔見知りである。

「あら、こんにちは、健太狼君!
少し前に瑞穂ちゃん達も来ていたけど、例のポケモン図鑑の冒険が、いよいよ始まったのかしら?」

可愛らしい笑顔を惜しげもなく俺に向けて、語りかけてくれる受付お姉さん。


「そうそう。まぁ俺の場合は、ポケモンリーグの制覇という方がメインなんだけどな」

「ふふふ、ずっと前から言っていたものね」

ポケモンの回復をお願いしながら、会話を続ける。

「そうそう。
で、俺がリーグチャンピオンになった時には、約束通り、俺の“専属受付け嬢”になってよね、お姉さん」

「も〜う、またそんなことを言って。 私が瑞穂ちゃんに怒られちゃうでしょ」

「ん? 何でそこで瑞穂が出てくるのさ」

「―――
鈍感もここまでくると……  瑞穂ちゃんも、前途多難ね」


何事かを呟いた後に、溜め息をつく彼女。
そして何故、そんな残念な人を哀れむような目で、この俺を見るのだ。


「まぁいい。 それより、何か軽く食べていっても良い? まだ昼飯もとってなくてさ」

ポケモンの回復作業をしてくれている、お姉さんのお尻に……
いや、後ろ姿に問いかけた。

「勿論、良いわよ〜。 好きな席を使って〜」

「使ってって…… 飲食は有料だし、前払いだろ?」


俺のそんな言葉に、彼女は振り返り、呆れたような顔で

「ポケモン協会と、後、オーキド博士からも連絡が来ていたわよ。
健太狼君を正式な“ポケモン協会の認定トレーナー”とする、ってね。
だから、飲食、宿泊は勿論、ポケモンセンター内の施設利用は、全て無料よ」

ああ、そうか。忘れていた。
“協会の認定トレーナー”になれれば、そうしたサービスを受けれるのだ。
というか、リーグ制覇を目指す俺が、オーキド博士の図鑑完成を引き受けたのは、それもあったからである。

「ふふふ。そんな事じゃあ〜、リーグチャンピオンにはなれないわよ、健太狼君?」

うっかりしていた事をからかうように、お姉さんは悪戯っぽい顔で、そんな事を言ってきた。
ならば、お返しとばかりに、

「ふっ、君のその小悪魔な瞳が、俺を狂わせる。
俺がおかしくなってしまったのは、君のせいさ…… だから、責任をとってくれるね?」

最高の言葉で彼女を口説いたつもりだったが―――


可愛い笑顔で、“トレイ”を渡された。


何これ?
……考えるまでもないな。物を乗せる“お盆”というやつだ。
ポケモンセンターの飲食はセルフだから、これが必要である。
要は、“バカな事を言ってないで、さっさと席に着け”、という意味だろう。


―――素直にトレイを受け取った俺は、
ミックスオレと適当な食い物を見繕いながら、メガネとこれからの事を話し合うのであった。
メンテ
Re: マサラの狼 ( No.9 )
日時: 2016/02/25 14:42:22
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

目指せ最低でも月1更新!
いつまで持つ事やら…


第7話


俺はトキワシティより、西方向に向けて歩みを進めていた。
ちなみに微笑みメガネはトキワのポケモンセンターへ置いてきた。
ハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうもない。

さて、単身で何処へ向かっているのかと言うと、トキワシティより西方向の話を踏まえれば、答は言うまでもないだろう。
そう。セキエイリーグだ。
そして、セキエイに向かうという以上、目的は一つしかない。

“ポケモンリーグを制覇し、リーグチャンピオンとなる”

これである。
無論、既に各ジムを回り、ジムリーダーを軽く一蹴し、ジム認定バッジを全て集めた……
訳もなく、むしろ、一個たりとも持っていない。ゼロである。
そりゃそうだろう。
まだマサラとトキワの間しか行き来してないのだから。


「フフフ。今日、俺が新たな伝説を作ってやる。
“認定バッジを一つも持たずして、リーグチャンピオンになった男”という伝説をなぁ!」


―――思わず口に出して言ってしまったが、
しかし、俺としても初めからそんな訳の分からないレジェンドを作ろうとは思っていなかった。
ちゃんと各地を巡り、各ジムを制覇した上でリーグに挑むという、普通な考えを持っていたさ。


だが―――


時は少し戻って、トキワシティポケモンセンター。


「しょ、正気ですか、沢渡さん!?」

ポケモンセンターの休憩室の一角にて。
微笑みメガネが小柄な体に反しての大きな声を出して、俺に問い直してきていた。

「正気も正気だ。
俺は今からセキエイリーグに挑む」

「む、無茶ですよ! 大体、ジムバッジを一つも持ってないじゃないですか。
それでリーグの門を叩こうだなんて、前代未聞ですよ!?」

「うるさい野郎だな。
そもそも、そのジムバッジが手に入らない状況なんだから仕方がないだろう」


―――“ジムバッジが手に入らない”
どういう事かと言えば、トキワポケモンジムの受付で以下のような経緯があった。

ジムリーダーが行き先不明の外出中です。
その間、トキワジムの運営は中止しています。
再開はいつになるか分かりません。
当面の間はジムへの挑戦も認められません。
ポケモン協会も困っています。
では、またのお越しを。


「―――」

思い出すだけで、腹が立ってきたぞ。
大体、ポケモンジムはポケモン協会運営施設の一つである。
ジムリーダーがいないというのであれば、
“協会が代理を用意するとか、トキワのジムバッジは免除するとか”、色々と対応はあるだろう?

それを…… ジムへの挑戦自体が不可能だと?
よくもまぁそんな事で、“ポケモン協会も困っています”などとも言えたものだ。

―――ふざけやがって。
そっちがそんな怠慢な態度を取るのなら、こちらはバッジ無しで挑んでやるまでだ。


「―――だ、だから、何でそんな極端になるんですか。
トキワが無理なら一旦保留して、先にニビシティで良いじゃないですか」

「ええい、俺が言いたいのは、ジムリーダーがいないからの話なんかじゃない。
協会のやる気の無さに対して怒っているのだ」


俺の場合は確かに一旦保留でいいだろう。
だけど、もしこれが既に7個のバッジを集めて、
最後のバッジが、ここトキワというリーグ挑戦者だったら、どうするつもりなのか。

「そ、それは確かに、今の協会の対応はヒドイとは思いますけど……」

「だろう? だから、抗議も兼ねてのリーグ挑戦という単純な話だ」

「た、単純って…… もう、無茶苦茶ですよ」

「お前は来なくていいから安心しろ。
―――何かあった時の連絡役も必要だからな」

「何かあった時……   や、やっぱり、何かをするつもりなんですか、沢渡さん!?」

「あ〜、もう! 何もしないよ!
いいからお前は、此処で休憩してろ。 いいな?」


・ ・ ・


―――などという事があり、現在、一人でセキエイへと向かっている俺なのであった。
メンテ
Re: ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜 ( No.10 )
日時: 2016/03/11 18:10:43
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

まだだ。まだ終わらんよ!


第8話


更に西へと歩みを進めていた中、セキエイ方面からこちらの方へと近づいてくる二つの人影があった。


―――あの二人は……


「あ、ケンタ君!」

お互いに姿を確認できる距離まで近づいた辺りで、向かってきていた二人組の一人―――
瑞穂が俺と分かったらしく、名前を呼び、笑顔で手を振りながら、“ぱたぱた”と小走りで駆け寄ってくる。


「よう、瑞穂。 まだこんな所にいたのか」

「うん。風精君のお父さんの知り合いの方がセキエイにいるらしくて、その人に会ってきたんだよ」


その瑞穂から少し遅れて、明彦も俺の傍までやってくる―――

「そういう訳だ、沢渡。 
―――ところで、どうしてお前は一人なんだ。博士に同行者を用意されてたんじゃないのか?」

「え? ケンタ君に、同行者……、って」


明彦の言葉に瑞穂は驚いた表情を見せる。
まぁ、正しい反応だ。
俺は“一人で冒険したいから”という理由で、幼馴染からの同行願いを拒否した、クソ野郎である。
それなのに、別な同行者がいるなんて話を聞けば、「どういう事?」になるのは必然であろう。
―――それにしても、明彦め。俺に同行者が付くのを知っていたのか。
自分が瑞穂と一緒に行きたい為に、わざと黙っていやがったな?

「あ〜、いや、俺の母さんがさ……
何か色々と気を回し過ぎて、いつの間にか俺にも同行者が付くはめに……」


俺は事情を説明しつつ、瑞穂に謝罪する。
しかし、こんな事になってしまったのは俺としても不本意であり、自然、言葉にも力が入らず気落ちしていたらしい。
その様子を汲んでくれたのか、

「あ、謝らなくていいよ、ケンタ君。
ケンタ君もさっきまで知らなかったんでしょ? だったら仕方ないよ」

と、優しく穏やかに許してくれる。
幼馴染とはいえ、この度量の広さ。
自分の野心を優先するような俺には眩しすぎる。


「―――だ、だけど、えっと……
こ、今度、何かで埋め合わせとかしてくれると、う、嬉しい、かなー…… なんて」

「ああ、貸し一つという訳だな。必ず返すぞ、瑞穂」

「う、うんっ! 約束だよ、ケンタ君」


―――などと、俺と瑞穂で盛り上がっていた中、


「うおっほん! えっほん! ごほっ、げほっ、がはあっ!!」


明彦が会話を中断させるかのような、大きな咳払いをして間に割り込んでくる。


「何だよ、明彦。変な咳しやがって…… 新種の風邪か?」

「違う!
そ、それよりさっきの僕の質問に答えろ。どうしてお前が一人で、こんな所にいるんだ?」


―――俺がここに、一人でいる理由。
先にも話したが“セキエイリーグ挑戦”の為である。
そうした経緯を明彦達に説明した折―――


「笑わせるなよ、沢渡。バッジが一つもない状態でリーグに挑むだなんて……
古今東西、あるまじき事だ」

「だから、その新たな伝説を俺が作ってやろうと言っているのだ」

「僕や瑞穂さん、オーキド博士にも、恥をかかせるつもりか?」

「博士や、お前達に、恥? どういう意味だよ」


明彦の話によれば、バッジ無しでリーグに挑戦するなど、バカ以外の何者でもないらしい。
で、あれば、そのバカを“認定者”と推薦したオーキド博士は更なる大バカという事になり、
同期として一緒に推薦された、明彦と瑞穂も、もれなくバカの眼差しを受ける事になるかもしれない―――
明彦の言う“3人に恥をかかせる”とは、つまりは、そういう事のようだ。


「―――分かったな、沢渡? だから、セキエイリーグには……」

「ああ、ちゃんとバッジ無しで挑んでやるから安心しろ」

「……」

「……」


「なるほど? やはりバカには、口で言っても分からないのか」

「ははん、お前の言う事だから分からないのさ」

「っ! 人が親切で言ってやっているのを、沢渡、貴様ぁ!」

「うんうん。 余計なお世話というものだよ、アホ彦君?」

「ぐっ、く、くそ! 許さん。もう、何があっても絶対に許さんぞ! 来るんだ、ピジョット!」

「そして実力行使か? “おぼっちゃま”とは思えない野蛮さだなぁ。
まぁいい、返り討ちにするぞ! 行けっ、ヘルガー!」


俺と明彦、互いに自分の相棒の名を呼び、モンスターボールを投げる―――
メンテ
Re: ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜 ( No.11 )
日時: 2016/03/12 07:03:52
名前: カロス◆am7EWoa4zDs ID:QUVyf5DU

いつも見させてもらってます!
頑張ってください!
メンテ
Re: ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜 ( No.12 )
日時: 2016/04/22 17:41:37
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

カロスさん、レスありがとうございます!
全力の不定期更新なのにいつも見てもらってるとの申し訳ないです
これからも気が向いた時にでも覗いてみて下さい!


第9話


明彦のピジョットがモンスターボールから解放されると同時、甲高い鳴き声と共に飛翔し、大空を背に舞う。
俺のヘルガーは、その相手を真っ直ぐに見据え、地から空へと唸り声を上げている―――

やれやれ。
正直、ポケモンバトルするつもりまではなかったのに、こんな展開になってしまったな。
例によって、瑞穂は止めようとしてくれていたが……
全くもって、“怒り”のボルテージの上がりが早い野郎である。


「ピジョット、エアスラッシュだ!」

―――って、そんな事を考えている間に、明彦はピジョットに攻撃の指示を出してきていた。
指示を受けたピジョットの翼が空を裂き、それによって発生した見えない真空の刃がヘルガーを襲う!
まぁ俺には“見えない真空の刃”だが、ヘルガーには見えている―――
というか、感じ取れるが正しいか。

「そんな単発技に当たってやるかよ。 ヘルガー、避けろ!」

俺の指示を受けたヘルガーは、後ろにステップを踏み、
少し遅れて、先にいた地面にエアスラッシュが裂いたのだろう―――  亀裂が走る。


「いいぞ、ヘルガー。 今度はこっちが、大量の火の粉でお返ししてやれ!」

エアスラッシュの回避を確認した後、俺は新たに指示を出す。
ヘルガーは指示通り、火の粉を、さながら“ショットガン”の如く、空にいるピジョットに向けて、大量にばら撒き始めた。

―――ピジョットは旋回しながら回避するが、その数の暴力に全ては避けきれていない。

狙い通りである。
空での移動では急な方向転換による回避は難しい。
そこに加えて、大量のショットガン火の粉が偏差射撃で撃ち込まれているのだから、全て避けるというのが、土台無理な話だろう。


「くそ、沢渡め。 姑息な手を使ってきやがって……!」

「ははん。それは悪タイプのヘルガーにとっては褒め言葉だぜ?」

ジワジワと体力が削られている己のピジョットを見て、明彦は歯ぎしりする。
たまにエアスラッシュで反撃してくるが、体勢が崩れている苦し紛れの攻撃など、
それこそ当たる俺のヘルガーではない。
その間にも、火の粉でのダメージは蓄積されていく。


「よう、明彦! “風おこし”や“熱風”で、火の粉もろとも、ヘルガーに跳ね返せばいいんじゃないか?」

「戯言を、その手に乗るか! お前のヘルガーの特性は“貰い火”だろう!」


明彦に野次を飛ばし挑発するも、これはまぁ、流石に引っかからないか。


「―――だが、このままではジリ貧……!
ピジョット、攻撃はいい! 回避に全てを集中しろ。高速移動だ!」

このままではマズイと判断したのか、明彦は新たな指示をピジョットに送る。
それを受けてピジョットは大きく羽ばたき、風を掴み、空を右往左往と自由に飛行し始めた。
ヘルガーは攻撃を続けているが、回避に専念を始めた相手は、滞空している高度も上がった為、
火の粉ですら、全く当たらなくなってしまった。

「あそこまで高度を上げられると―――  もう、“大文字”クラスじゃないと届かないな。
しかしあれだけ激しく飛ばれると、今度は届いても当たらない……  さて、」

―――どうするか。
届かない、当たらない攻撃を無駄撃ちしても意味はない。
だが、攻撃できない状況は明彦も同じのはず―――


「ピジョット、電光石火だ!」


そんな考えていた矢先に、明彦の声でピジョットが俺の視界から既に消えていた事に気づく。
再度、姿を確認した時には遅すぎた。
ピジョットはヘルガーの火の粉を大きく迂回して全て避けきりながら、猛烈な勢いで降下を始めていた。

高速移動からの電光石火だと!?
その超速攻撃に俺は回避の指示すら出せず、半端に攻撃を続けていたヘルガーが対応できるわけもなく
電光石火による体当たりを横っ腹に受け、吹っ飛ばされるヘルガー。


「ちぃ、やってくれるな、明彦。 ヘルガー、逃がすな! 火炎放射で攻撃!」


速度が増して威力が上昇していた電光石火と言えど、たった一撃でダウンする俺のヘルガーではない。
すぐに体勢を立て直し、上空へと飛翔するピジョットを火炎放射で追う。

―――が、すんでの所で届かず、相手は再び高速移動で速度を上げていく。

「はっははは!
姑息な戦法のお返しだ、沢渡! もうずっと“僕のターン”だ!」

「この野郎……」


明彦は得意満面で笑い声を上げる。
腹は立つが、確かにあの高さで空にいられる以上、どうしようもない。
更に接近してくる相手に対して火の粉や火炎放射を撃っても、あれだけ速度が出ていると余裕で迂回されて避けられてしまう。
かと言って、相手の攻撃を受けた後に、反撃しても間に合わず上空へと逃げられる。

―――明彦のずっと僕のターンもあながち間違いではない状況だ。


「さぁ、続けていくぞ! ピジョット、電光石火だ!」

ピジョットは指示を受けると、ヘルガーに動きを補足されないように大きく旋回しながら、
しかし、超速で降下してくる。


ダメだ、この戦法にはどうしようもない―――


「指示を送らないとは諦めたか、沢渡! ならば望み通り、一撃で……」


―――なんちゃって!


「ヘルガー、一歩下がって腰を落とせ! 奴の電光石火に、“噛みつく”で合わせるんだ!」

ピジョットが十分に接近した頃合いを見て、俺はヘルガーに指示を出す!

接近される前の攻撃は避けられる。
接近された後の攻撃も避けられる。
ならば、接近と同時に攻撃を仕掛けるまでだ!


「近接戦闘を出来るのがお前だけだと思うなよ、明彦?」

「し、しまった!  避けるんだ、ピジョット!」


俺の意図を理解したのか、明彦はピジョットに攻撃の中断の指示を送る。 が―――

「この状況で、その指示は、“酷”ってもんだろう、明彦?」

高速移動からの電光石火という超速度に乗り、間近まで迫っていたピジョットが当然、攻撃を中断できるわけもなく、
電光石火をヘルガーに直撃させる。
しかし、それは待ち構えていた俺のヘルガーの噛みつくも、直撃した事を意味する!
更に、自ら飛びこんで行く形となったピジョットのダメージのそれは、俺のヘルガーの比ではないだろう。

事実、相手はヘルガーの牙が深く入っており、顎から脱出できないでいる。

「よーし、怯んだな? ヘルガー、そのまま噛み砕くだ!」


火の粉によるダメージの蓄積、倍加した威力の噛みつく、そしてそこからの噛み砕く。
明彦のピジョットが最早、動ける道理はなかった。
噛みつかれていた事に抵抗していた動きも次第に弱まり、ついには動かなくなる。


―――これ以上は、無用だな。


「よし、もういいぞ、ヘルガー。 戻れ!」


戦闘の決着を確認した俺は、ヘルガーをボールへと戻したのであった。






バトルの描写難しいよ
駄文だし長文とか救えない
つか高速移動からの電光石火とかwww
ゲームじゃ絶対にありえないネタレベルの展開ですね
イメージを優先してたらこうなったんです
まぁゲームとは違うノリなんだなと軽く読み飛ばしてあげて下さい

メンテ
Re: ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜 ( No.13 )
日時: 2016/06/30 10:37:30
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

月2になってるじゃないですか!やだー!


第10話

ヘルガーをモンスターボールへと戻した俺だったが、
明彦は倒れた自分のピジョットをボールへ戻そうとはせず、俺に食い下がって来ていた。

「ふ、ふざけるな、沢渡! 何を勝手に戻している。まだ決着はついていない!」

「……無茶言うなよ、明彦。
ピジョットはもう動ける状態じゃないだろ。お前も早くボールに―――」

「黙れ!
そんな事はピジョットの主人である僕が決める事だ! まだコイツは戦え―――」

「明彦ぉ!!」

尚も言葉を続けようとした明彦に対し、俺は声を張り上げ、中断させた。

「……明彦、俺はなぁ。お前の事は二流トレーナーとしては認めていたつもりだったが、
どうも考えを改めないといけないみたいだな」

「な、なにを……!」

「今のピジョットの状態を見て戦えるなど、ふざけた事を抜かすようなら、
お前は三流、いや、それ以下の糞トレーナーだって事だ!」

「……っ!」

「それとも、あれか。むしろ自分のポケモンにトドメを刺して欲しかった訳か?
だったら、初めからそう言え。出てこい、ヘル……―――」

「待てっ!!」

今度は、俺の言葉を途中で明彦が遮る形となり、俺はヘルガーを呼び出す事を中断する。

「……待ってくれ。 今のは僕の誤りだった。
確かにピジョットはもう戦える状態じゃない。 ―――戻れ、ピジョット……」

明彦は小さい声でそう言うと、ピジョットをボールへと戻し、力無くうなだれる。

―――ふぅ。
負けず嫌いにも程があるだろう。
まぁ、最初に煽り過ぎた俺も悪かった、か?


「OK。誤りは誰にでもある事だし、大目に見てやろう。
―――それよりも、ふはははは! やはり、俺の勝利という結果に終わったなぁ!?」

「……ぐっ」

「アホヒコ君ごときが俺に挑むなど、“一万光年”早かったというわけだ! はーははは!」

「だ、黙れ、黙れ!
僕は手加減してやっていたんだから、お前が勝つのは当然なんだ、このバカめ!」

「なにい、バカだとう? 俺のどこが―――」

「ふ、ふん! 僕が手加減していたという事に気づいてなかったのもそうだが……
お前がさっき言った一万光年というのは、時間じゃないぞ?」

「……え、ウソ?」

「そう。時間じゃなく、距離だ!
こんな事も知らないとは、真の同情に値するよ」

「……」


―――ついさっきまで、勝負に負けて落ち込んでいたと思ったら、もうこれか。
何ともまぁ、単純な男ではある。

「フン! もう行きましょう、瑞穂さん。こんなバカに付き合っている暇はありません」

そう言って鼻を鳴らすと同時に、俺の横を通り抜けてトキワシティの方へズンズンと歩いて行ってしまう。


「あ、ちょっと、風精君!? もう!  ごめんね、ケンタ君。私も行くね?」

「おう、気をつけてな。
―――あ〜、いや、ちょい待ち。瑞穂」

明彦を追いかけようとする瑞穂を一旦見送るも、すぐに呼び止める俺。
気づいた瑞穂は、再度、“ぱたぱた”と仔犬のように小走りで近寄ってきた。
その後ろでは明彦が、呼び止めた俺に対してであろう文句っぽい事を言っているようだが、とりあえずは無視だ。

「どうしたの、ケンタ君。 まだ何かあった?」

「ん〜、何という程でもないんだが、
あいつのピジョットをちゃんとトキワのポケモンセンターで回復してやれよ?
明彦の奴。あの様子だと怒りで、うっかり忘れたりするかもしれないからな」

俺がそう言うと、瑞穂は驚いたように一瞬、目を見開き、
しかしすぐに納得したように、嬉しそうな笑みで、うんうん、と一人で何度も頷いている。
―――意味が分からんぞ。


「ど、どうかしたか、瑞穂?」

「ん? うん、やっぱりケンタ君は優しいな〜って改めて思ってるだけだよ?」

「……」


突然、何を言いだしたのだろう。この幼馴染は?


「ま、待て待て。 優しいって、この俺がか?」

「うん」

「ぐふっ。 いやいや、さっきの明彦のピジョットの件を言ってるのか?
あ、あれは、ピジョットが戦えないままだと、一緒に行動してる瑞穂も危ないだろう。
だから瑞穂を心配しての事だ」

「あ、そうなんだ。私を心配してくれてたんだ〜」
でも、それならそれで、やっぱり優しいよね?」

「がはっ。 いやいやいやいや、幼馴染を心配するのは当然の事だろう? 優しい以前の問題だ」

「そうかなぁ〜?
―――でも、その事だけじゃないよ。
さっきのケンタ君と風精君のポケモンバトルの後に、ちょっと気まずい雰囲気になっちゃったけど……
ふふっ。だから、言ったんでしょ? “一万光年”って。
わざと間違った事を言って、風精君を元気にさせる為に」

「!!  ……そ、そんな事は、ない、ですよ? 本当に時間の事だと、オモッテマシタ」

「う〜そ。ケンタ君は馬鹿じゃないて事を、私は知ってるもん」


―――その後、瑞穂は俺達がまだ子供の頃の事まで遡って、楽しそうに思い出語り始めてしまった。
しかし、よくもまぁ、そんな昔の事を細かく覚えているものだと感心する。
更に言えば、自分の事じゃなくて、ほとんどが俺の事だし……


「あ〜、もういい、もういい。
ほら、瑞穂。 明彦が後ろで呼んでるぞ。さっさと行きやがれ」

「ふふふっ。 は〜い。ケンタ君も気をつけてね」

そう言うと、瑞穂は途中、途中、何度も俺の方を向き直っては、手を振りつつ、明彦の待つ方へと走っていくのだった。

―――全く…… 俺の話しかしてなかったくせに、何であんなに楽しそうなんだか。
しかし、予想以上に時間を取ってしまったな。セキエイに急ぐとしよう!
そうして、俺は再び西の方へと歩みを進めるのだった。
メンテ
ポケモン赤緑オリジナル〜マサラの狼〜 ( No.14 )
日時: 2016/07/28 15:57:20
名前: 下位◆WMpd9uBwR.g ID:hmsnHlAQ

第11話

セキエイへと向かった俺だったが、トキワシティのポケモンセンターへと戻ってきていた。
ポケモンセンターのロビーで待機していた微笑みメガネが、ソファーより立ち上がり、呼びかけてくる。

「お帰りなさい、沢渡さん! セキエイリーグへの挑戦はどうでしたか?」

「フン、途中で警備員のオッサンに捕まってしまったよ」

そう。
俺はポケモン協会の怠慢に抗議する意味も兼ねて、バッジ0個の状態でリーグへ挑戦しようとセキエイへと向かったのだったが、
ご丁寧に建物の各ゲートの所で警備員のオッサンが通せんぼしていやがったのである。

「バッジがなければ、ここを通す事はできないよ」

と、わざわざ説明してはくれたのだが……

そもそも、そんな事は分かりきった上でセキエイに来ているというのに、
そんなテンプレ回答で素直に帰ったら、それこそただの阿呆である。
―――なので俺は、警備員の目を盗み、侵入を試みた訳だ。

が、不覚にも4つ目のゲートでドジを踏み、発見される。
仕方なくポケモンを出して抵抗するも、続々と現れる警備員のオッサンにより詰む。
不法侵入という形で取調室へ連行され、事情聴取を受けるハメに。

幸い、初犯だった事と、俺がオーキド博士推薦の認定トレーナーだった事、
そして、協会の方でも問題ありと認識していたトキワシティジムに関しての抗議という事もあり、
すぐに釈放されはしたけど、最後に警備員のオッサンが―――

「バッジ0個でリーグへ挑戦しようという、君みたいな面白い男は初めてだよ!
またの挑戦を待っているぞ!」


などと、抜かしやがった。
爽やか過ぎるにも程があるだろ。
大体、何が「またの挑戦を待っているぞ」、だ。あんたはただの警備員だろうが。


―――何ていう事を経て、俺はトキワシティへと戻ってきていたのである。


「……た、大変でしたね、沢渡さん。
でも、大事にならなくて良かったです。もうあまり無茶はしないで下さいよ……」

「トキワジムに関しての言いたい事は言ってきたし、まぁ、気は済んだ。
―――という訳で、ニビシティに行くか」

「はい! 分かりました」


・ ・ ・


そうして、トキワより出て、北へと向かった俺達だったが―――


「ちぃ…… 見渡せど、見渡せど、木と草しかありゃしない。全くもって不愉快だ」

「木と草しかないって…… し、仕方ないですよ。沢渡さん。そういう場所ですから」


そういう此処は何処かと言えば、トキワシティとニビシティの中間にある“トキワの森”。
俺と微笑みメガネは、ニビシティに行く為に、この森へと足を踏み入れていたのだ。

まぁ、“森”とか大層な名前が付いてはいるが、実際はトキワシティの管理する巨大な自然公園である。
虫ポケモンが多数生息している為、子供達の絶好の遊び場でもあるし、
休日などは、森林浴をしに家族連れの大人達も良く見かける。
かくいう俺も、小さい頃は瑞穂と一緒に飽きるほど遊びにきていたものだ。


が、今の俺達はこんな場所に用はない。


なのに前述した虫ポケモンは、何故か俺達の道を阻むかのように頻繁に出現し、
更には至る所で、“虫とり少年”が空気を読まず、ポケモンバトルを吹っ掛けてきたりで、
そりゃ不愉快にもなるというものだろう。
しかも、女の子は一人もいないし。
“大人のお姉さん”は無理だとしても、“ミニスカート”や“ピクニックガール”は居てくれてもいいんじゃないか?


―――などとも考えていたうち、ようやくトキワの森の出口が見えてくる。
だが、丁度その辺りに、2人の人影があった。
メンテ
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